プラント解体におけるアスベスト除去

アスベストは、その耐熱性や断熱性に優れた特性から、建築資材や断熱材、ブレーキライニングなどに広く使用されてきました。しかし、その微細な繊維が空中に舞い上がり、吸い込むことで深刻な健康被害を引き起こすことが明らかになっています。アスベストを吸入することで発症する可能性がある主な疾患には、中皮腫、肺がん、アスベスト肺などがあります。そのため、アスベストの除去や廃棄は、厳重な管理のもとで行わなければならない重要な課題となっています。

目次

プラント解体で扱うアスベスト廃棄物の分類

プラントの系統やラインを停止して解体する前提で、発生するアスベスト廃棄物の区分を整理します。アスベスト廃棄物は、その状態に応じて「飛散性アスベスト」と「非飛散性アスベスト」に分類されます。飛散性アスベストは、微細な繊維が容易に空中に拡散する性質を持ち、取り扱いが特に難しいとされています。

一方、非飛散性アスベストは、固体の中に封じ込められており、比較的安全に取り扱うことが可能ですが、それでも適切な処理が必要です。なお、法令上の区分は「廃石綿等(特別管理産業廃棄物)」と「石綿含有廃棄物(一般/産業)」です。次に、工事で管理が厳しい廃石綿等の取り扱いを確認します。

廃石綿等の取り扱い

プラント解体では負圧養生と動線分離を前提に、廃石綿等の管理を行います。廃石綿等は、吹付け材の除去物、石綿保温材、けいそう土保温材、パーライト保温材、石綿粉じんが付着したおそれのある用具や器具などの品目指定により特別管理産業廃棄物に該当します。処理する場合には特別管理産業廃棄物の処理を行っている業者に依頼する必要があります。次に、廃石綿等に該当するものを示します。

廃石綿等に該当するもの

吹付け材から除去された石綿、保温材、けいそう土保温材、パーライト保温材、そして石綿が付着したおそれのある用具や器具が対象です。除去時に発生する粉じんや回収した粉体も含め、扱いは飛散防止を最優先に計画します。

収集運搬の考え方

プラントのライン閉鎖後の搬出は封入・表示と二重こん包を徹底します。廃石綿等を収集・運搬する場合には、作業者はもちろん周辺住民などにもアスベストを原因とする被害が発生しないよう配慮することが大切です。また収集・運搬は、許可を得ている業者のみ行えます。

収集・廃棄時の注意点は「他の廃棄物と混ざらないよう区別して収集するように注意する」「廃棄物の飛散や流出を防ぐ」という2点が挙げられます。マニフェスト・帳票とこん包仕様を事前に確認し、次の中間処理へ円滑に引き渡します。

中間処理の要点

プラント解体では受入条件に合う無害化方法を選定し、自治体や発注者の要件に応じてエアモニタリングやクリアランス測定の結果を踏まえて区域解除を判断します。アスベストが含まれた廃棄物を処理する場合、中間処理による無害化を行うことが求められます。石綿の中間処理は、「溶融施設を用いて処理する方法」があります。次に、最終処分での管理点に進みます。

最終処分の要点

最終処分では区画の特定とトレーサビリティを重視し、マニフェスト・帳票で完了を確認します。中間処理を行った廃石綿等は適切な方法で最終処理を行うことが必要であり、最終処分場において埋立処分を行います。

埋立処分を行う際には、耐水性の材料を使用して二重こん包にします。さらに、最終処分場の一定の場所にて廃石綿等が分散しないようにするといった点に加え、埋め立てを行った廃石綿等が埋立地外に飛散や流出しないように対応することと、最終処分をした場所を特定 しておく必要があります。続いて、非飛散性の石綿含有産業廃棄物の取り扱いを確認します。

石綿含有産業廃棄物の取り扱い

プラントの分別解体で発生する非飛散性の部材は、飛散抑制を最優先に管理します。石綿含有産業廃棄物は非飛散性アスベストであることから、特別管理産業廃棄物ではありませんが、外部への流出を防ぐために適切な処理が求められます。先に該当品目を整理し、後段で収集運搬と処理の流れにつなげます。

該当するもの

工作物を新築する際や改装する際に発生した、発生した非飛散性の石綿を含有する廃棄物であり、重量の0.1%を超えてアスベストが含有されているものが該当します。建設廃材、ガラスくず、石綿スレート、石綿管、ビニールタイルなどが対象です。除去作業で石綿が付着したおそれのある用具や器具等は、石綿含有廃棄物ではなく廃石綿等として取り扱います。次に、収集運搬での注意点に進みます。

収集運搬の考え方

非飛散性であっても輸送中の破砕や粉じん化を避け、こん包仕様と輸送経路の清掃手順を定めます。石綿含有産業廃棄物を収集・運搬する際には、廃棄物の飛散や流出に注意することが大切です。そのためにも、「廃棄物を砕かない・切断しない」「他の廃棄物と区別し混ざらないようにする」という点を守ることが必要となります。この後の中間処理での無害化方法に接続します。

中間処理の要点

受入先の溶融条件や前処理要件を事前協議し、HEPA集じんで集めた粉じんの扱いも同一計画内で整理します。廃石綿等と同様に、アスベストの無害化を目的として中間処理が行われます。ここでは、「溶融施設を用いて処理する方法」が用いられます。最終処分の区画管理へつなげます。

最終処分の要点

埋立処分では封入・表示を明確にし、二重こん包と耐水性こん包で飛散を抑えます。石綿含有産業廃棄物を処理する場合も、廃石綿等と同様に最終的には埋立処分を行います。最終処分場において、一定の場所で埋立を行い、石綿含有産業廃棄物の飛散が起こらないように対策することが必要です。以降で除去作業の流れを確認します。

プラントの解体計画に沿った除染から撤去・搬出・処理先までの検討が対象で、処理のみは対象外です。

プラント解体におけるアスベスト除去作業

プラント解体では隔離養生と負圧養生のもとで湿式除去を行い、動線分離と仮設シャワーで退出手順を整えます。アスベストの除去作業は、高度な専門知識と技術を要する作業です。

まず、作業現場を厳密に封鎖し、作業員は防護服やマスクなどの装備を着用します。その後、アスベストを含む材料を慎重に取り外し、飛散しないように湿らせながら作業を行います。

取り除かれたアスベスト廃棄物は、適切な運搬容器に封入し、封入・表示と二重こん包で外部への漏洩を抑えます。

アスベスト廃棄物の処理先と搬出計画

処理先の受入条件に合わせてこん包仕様を定め、マニフェスト・帳票で搬出から最終処分までの流れを管理します。アスベスト廃棄物の一般的な処理方法は、埋立処分です。管理型等の最終処分場に搬入され、品目や性状に応じて受入区分が決まり、場合によっては安定型処分場が選択されることもあります。

また、埋立処分の前に、アスベスト廃棄物は封じ込め材に包まれ、さらに二重こん包で厳重にこん包されます。埋立後の区域の管理・点検は、処分場の許可条件や運用に応じて実施され、場所特定や記録の保持が求められる場合があります。続いて、費用の考え方を示します。

費用の考え方とレンジ

費用は面積のほか、負圧養生や隔離養生、仮設、動線分離、クリアランス測定などの要否で変動します。公的な統一単価はなく、以下は目安です。アスベスト処理を行う際の費用は、条件によって変わってきますが、ここでは処理費用の目安をご紹介します。

300㎡以下は2.0〜8.5万円/㎡、300〜1,000㎡は1.5〜4.5万円/㎡、1,000㎡以上は1.0〜3.0万円/㎡の目安です。

上記のように、処理費用は部屋の形状や天井の高さなどの条件によって工事前の準備や仮設などの程度が変わってくることから、処理費に大きな幅が発生します。特に300㎡以下の場合には処理面積が小さいことから、処理費用に大きな幅が出てきます。実際の処理費用については、業者に問い合わせて確認することが必要です。次に、焼却処理に関する課題を確認します。

焼却処理の課題

プラント解体の現場では焼却は限定的な選択肢であり、実施時は排ガス処理や残渣管理の計画性が要点です。一部の国では、アスベスト廃棄物の焼却処分も行われていますが、この方法は技術的にも環境的にも多くの課題を抱えています

高温で焼却することでアスベスト繊維を無害化できるという利点がある一方、焼却過程での排ガス処理や焼却灰の処理が必要となります。これらの処理は非常にコストがかかり、また環境への影響も考慮しなければなりません。次に、法規制と安全管理の観点に進みます。

プラント解体に求められる技術はさまざま

プラント解体はただ壊すだけではありません。難処理廃棄物の適正な処理が求められる化学・電子機器製造プラントや、火気を扱わない解体方法が求められる火力発電プラント、環境問題への対応でリユースやリサイクルを求められる太陽光・風力発電プラントなど、プラント別に求められる専門性や技術があります

以下のページでは、安全に産業廃棄物の処理ができる専門性の高いプラント解体業者をプラント別にご紹介します。

プラント解体における法規制と安全管理

石綿障害予防規則や廃棄物処理法、大気汚染防止法に基づき、除去前後のエアモニタリングやクリアランス測定の方針(自治体・発注者要件に応じて)と仮設シャワーの設置を計画に織り込みます。日本においては、アスベストの除去や廃棄に関する法規制が厳格に定められています。廃棄物処理法や建築基準法などに基づき、アスベスト廃棄物の適正な処理が義務付けられています。

また、作業に従事する労働者の健康保護を目的とした法規制も存在し、アスベストによる健康被害を未然に防ぐための対策が講じられています。最後に、解体計画の要点をまとめます。

まとめと解体計画の要点

プラント解体では除染から撤去、搬出、処理先までを一体で設計し、負圧養生や湿式除去、封入・表示、二重こん包、マニフェスト・帳票で管理します。アスベストの産廃処理は、単なる廃棄物処理にとどまらず、健康と環境を守るための重要な責任を伴う作業です。法規制を遵守し、適切な手順で処理を行うことで、将来の健康被害を未然に防ぐことが求められています。技術の進歩とともに、より安全で効率的なアスベスト処理方法の開発が期待されています。次の検討では、系統停止の計画と各工程のクリティカルパスを明確にし、関係者間で共有します。

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安全に産廃処理ができる
専門性の高いプラント解体業者
3選

専門性の高い解体業者に依頼すべき代表的なプラントとして、難処理廃棄物を多く含む化学薬品を扱うプラントと、火気による大事故が懸念される火力発電プラント、そして環境問題への対応でリユースやリサイクルを求められる太陽光・風力発電プラントの3つが挙げられます。

ここではそれぞれのプラント解体に優れた技術を持つ、おすすめの解体業者をご紹介します。

化学・電子機器製造
プラントなら
難処理廃棄物の処理に対応
クレハ環境
クレハ環境
引用元:クレハ環境公式HP
https://b38mwau6.lp-essence.com
クレハ環境が
おすすめの理由
  • PFAS、ハロゲン、ダイオキシンなどの難処理廃棄物を適切に焼却処理できる
  • 土壌汚染調査から申請書類作成までワンストップで実施できるためコストを抑えられる
天然ガス、石油などの
火力発電プラントなら
火気厳禁の現場にも対応
ベステラ
ベステラ
引用元:ベステラ公式HP
https://www.besterra.co.jp/
ベステラが
おすすめの理由
  • 独自の無火気工法により出火リスクを抑えた解体処理ができる
  • 遠隔操作可能な解体ロボットで、高所作業によるリスクを低減できる
太陽光・風力発電
プラントなら
環境負荷の低減に対応
SMART
SMART
引用元:SMART公式HP
https://smart.jpn.com/
SMARTが
おすすめの理由
  • 解体後の太陽光パネルや風力発電設備をリユースでき、廃棄コストと環境負荷を抑えられる
  • 独自の中古売買ネットワークを持ち、スクラップや遊休設備を買い取って工事費に還元できる