石油プラント解体と廃油処理の流れ

石油プラント解体では、タンクや配管に残った油、設備から回収した潤滑油、油水混合物、油が付着したウエスや部材などが発生します。残油や可燃性蒸気が残った状態で設備を開放・切断すると、漏えい、火災、爆発につながるおそれがあるため、設備を解体する前に内容物の確認、系統の隔離、液抜き、洗浄、可燃性ガスの測定などを計画的に行うことが重要です。回収した廃油や油泥、汚染物は、性状に応じて分類し、許可を受けた処理業者の受入条件を確認したうえで処理します。

目次

石油プラント解体で発生する廃棄物の分類

石油プラント解体で発生する廃棄物は、液状の廃油だけでなく、タンク底部にたまった油泥や、油が付着したウエス、樹脂部材、金属部材などを含みます。廃棄物処理法上の分類は性状や材質によって異なり、タンクスラッジは廃油と汚泥の混合物として扱われる場合があります。

廃油には、燃料の残油、潤滑油、洗浄に使用した油などが含まれます。このうち、揮発油類、灯油類、軽油類に該当する廃油は、通常の産業廃棄物より厳しい基準が適用される特別管理産業廃棄物として扱われます。

油が付着した固形物は、材質や付着状況に応じて廃プラスチック類、金属くずなどに分類されることがあります。廃油、油泥、固形物を一律に扱わず、撤去前に性状と材質を確認し、処理業者と分類・受入条件をすり合わせておくことが重要です。

石油プラント解体の主な流れ

石油プラントの設備を解体する前に、対象設備で扱っていた油の種類、残油や油泥の有無、配管の接続状況、周辺設備への影響を確認し、作業方法と順序を決めます。危険物などを扱う化学設備を分解したり、設備内部で作業したりする場合は、作業指揮者を定め、関係する作業者へ手順を周知する必要があります。

次に、対象系統を停止・隔離し、タンク、配管、ポンプなどに残った油を回収します。労働安全衛生規則では、危険物などが漏えいしないよう、バルブの二重閉止や閉止板の設置、施錠・表示などの措置が定められています。残油を回収した後は、内容物の性状に合わせて洗浄や置換を行い、作業箇所とその周辺の可燃性蒸気・可燃性ガスの濃度を測定します。

切断や溶断など火花を伴う作業は、液抜きや洗浄が不十分な場合、残液や可燃性蒸気へ着火するおそれがあります。ガスが検知されなかった場合でも残液が残っている可能性があるため、液抜き・洗浄の完了基準を決め、残液や漏えいが確認されたときは作業を中止して安全を再確認します。

安全を確認した後に設備を解体し、回収した廃油、油泥、油が付着した部材を分別して搬出します。解体途中で廃棄物の性状や量が想定と異なることが分かった場合は、そのまま混載せず、処理業者へ受入条件を再確認することが重要です。

石油プラント解体で発生する廃油の処理方法

石油プラント解体で回収した廃油は、油の種類、水分、スラッジや異物の混入状況などを確認し、処理業者の許可範囲と受入条件に合う方法で処理します。再生に適した廃油は、ろ過、油水分離、遠心分離などを経て再生燃料油として利用される場合があります。一方、再生が難しい廃油は、性状に対応できる許可施設で焼却などの処理が行われます。

タンク底部の油泥や油が付着した固形物は、廃油と同じ処理方法になるとは限りません。油分、水分、有害物質の有無、材質などを確認し、必要に応じて分離、脱水、焼却などの前処理を行ったうえで、再生利用または最終処分へ進みます。

産業廃棄物の収集運搬や処分を外部へ委託する場合、排出事業者は、委託する廃棄物が処理業者の許可範囲に含まれることを確認し、書面による委託契約とマニフェストによって処理の流れを管理します。

廃油を焼却処理する場合の注意点

廃油を焼却する場合は、その性状を受け入れられる許可施設へ委託します。法令上の廃棄物焼却施設に該当する施設には、廃棄物処理法に基づく構造・維持管理基準や、排ガス中のダイオキシン類に関する基準が設けられています。

水分、油泥、異物などの混入状況によっては、処理施設から前処理や搬入条件を指定されることがあります。また、焼却後に生じる燃え殻やばいじんは、含有成分や溶出量などに応じた区分と処理が必要です。排出事業者は、焼却後の処理を含む委託先の処理工程を確認しておくことが重要です。

プラント解体に求められる技術はさまざま

プラント解体はただ壊すだけではありません。難処理廃棄物の適正な処理が求められる化学・電子機器製造プラントや、火気を扱わない解体方法が求められる火力発電プラント、環境問題への対応でリユースやリサイクルを求められる太陽光・風力発電プラントなど、プラント別に求められる専門性や技術があります

以下のページでは、安全に産業廃棄物の処理ができる専門性の高いプラント解体業者をプラント別にご紹介します。

石油プラント解体に関わる法規制と安全管理

石油プラント解体で発生した廃油や油泥などを処理する際は、廃棄物処理法に基づいて廃棄物の種類を確認し、保管、収集運搬、処分の各段階で適用される基準を守る必要があります。処理を委託する場合は、処理業者の許可範囲、委託契約、マニフェストを確認します。

設備の洗浄で生じた排水を公共用水域へ排出する場合、水質汚濁防止法の規制対象となる特定事業場では排水基準が適用されます。対象施設や排出先によって適用される規制が異なるため、洗浄排水を安易に放流せず、既設の排水処理設備で処理できるか、産業廃棄物として回収・委託するかを事前に確認することが重要です。

また、危険物や可燃性物質を扱っていた設備の解体では、労働安全衛生規則や消防関係の安全対策を踏まえ、系統隔離、作業手順の周知、可燃性ガスの測定、火気管理、異常時の連絡・作業中止基準を定めます。適用される届出や協議は設備の種類や工事内容によって異なるため、所管する行政機関へ事前に確認します。

まとめ

石油プラント解体では、設備を切断・撤去する前に、残油や油泥の回収、系統隔離、洗浄、可燃性ガスの測定を行い、残留物による漏えい・火災・爆発のリスクを抑えることが重要です。

回収した廃油、油泥、油が付着した部材は、性状や材質に応じて分類し、処理業者の許可範囲と受入条件を確認して処理します。委託契約やマニフェストによって最終処分までの流れを管理し、工事中に残液や想定外の廃棄物が見つかった場合は作業を止めて処理方法を再確認できる体制を整えておきましょう。

安全に産廃処理ができる
専門性の高いプラント解体業者
3選

専門性の高い解体業者に依頼すべき代表的なプラントとして、難処理廃棄物を多く含む化学薬品を扱うプラントと、火気による大事故が懸念される火力発電プラント、そして環境問題への対応でリユースやリサイクルを求められる太陽光・風力発電プラントの3つが挙げられます。

ここではそれぞれのプラント解体に優れた技術を持つ、おすすめの解体業者をご紹介します。

化学・電子機器製造
プラントなら
難処理廃棄物の処理に対応
クレハ環境
クレハ環境
引用元:クレハ環境公式HP
https://b38mwau6.lp-essence.com
クレハ環境が
おすすめの理由
  • PFAS、ハロゲン、ダイオキシンなどの難処理廃棄物を適切に焼却処理できる
  • 土壌汚染調査から申請書類作成までワンストップで実施できるためコストを抑えられる
天然ガス、石油などの
火力発電プラントなら
火気厳禁の現場にも対応
ベステラ
ベステラ
引用元:ベステラ公式HP
https://www.besterra.co.jp/
ベステラが
おすすめの理由
  • 独自の無火気工法により出火リスクを抑えた解体処理ができる
  • 遠隔操作可能な解体ロボットで、高所作業によるリスクを低減できる
太陽光・風力発電
プラントなら
環境負荷の低減に対応
SMART
SMART
引用元:SMART公式HP
https://smart.jpn.com/
SMARTが
おすすめの理由
  • 解体後の太陽光パネルや風力発電設備をリユースでき、廃棄コストと環境負荷を抑えられる
  • 独自の中古売買ネットワークを持ち、スクラップや遊休設備を買い取って工事費に還元できる