プラントを解体する際は、建屋や構造物を壊す前に、内部の生産設備・機械設備・配管・電気設備などをどのように扱うかを整理しておく必要があります。
設備の中には、まだ使用できるもの、移設できるもの、売却できるもの、産業廃棄物として処理が必要なものが混在しています。また、配管内の残留物、油、薬液、粉じん、電気系統などを確認しないまま撤去を進めると、作業中の事故や環境汚染、処理コストの増加につながるおそれがあります。
この記事では、プラント解体前に必要となる設備撤去の考え方や、発注前に確認しておきたいポイントを解説します。
プラント設備の撤去は、建屋や構造物の解体に先立って行われることが多い工程です。代表的な対象には、製造ライン、タンク、ポンプ、コンプレッサー、ボイラー、配管、ダクト、制御盤、電気設備、架台、搬送設備などがあります。
設備撤去が必要になる主なケースとしては、プラントや工場の閉鎖、老朽化した設備の撤去、生産ラインの入れ替え、建屋解体前の内部設備整理などが挙げられます。使用しない生産設備や機械設備を売却・廃棄する場合や、有害物質・残留物の有無を確認する場合にも、設備撤去の検討が必要です。
プラント解体では、建物そのものだけでなく、内部設備の状態や使用履歴まで確認することが重要です。設備に残留物がある場合や、配管・タンクに油や薬液が残っている場合は、通常の撤去作業とは異なる管理が必要になります。
プラント解体で設備撤去を先に検討する理由は、作業の安全性と廃棄物処理の適正化にあります。
たとえば、設備が残ったまま建屋解体を進めると、重機作業の妨げになったり、配管や電気系統を誤って破損したりする可能性があります。設備の中に油、薬液、粉体、ガスなどが残っている場合は、漏えい・発火・ばく露などのリスクもあります。
また、設備ごとに処理方法が異なる点にも注意が必要です。金属としてリサイクルできるものもあれば、油分や薬品が付着しているために産業廃棄物として分別処理が必要なものもあります。
建屋解体前に設備の種類や状態を把握しておくことで、撤去手順、廃棄物の分別、処理費用、工期を整理しやすくなります。
プラント設備は、すべてを廃棄するとは限りません。状態や用途によっては、移設、売却、部品取り、リサイクルができる場合があります。
まず確認したいのは、設備が今後も使用できるかどうかです。稼働可能な設備や比較的新しい機械は、別拠点への移設や中古設備としての売却を検討できることがあります。一方で、老朽化が進んでいる設備や、薬品・油・粉じんなどが付着している設備は、状態に応じて産業廃棄物としての処理が必要になる可能性があります。
切り分けの際は、再利用できる設備か、移設する価値があるか、中古設備として売却できるか、金属スクラップとして扱えるかを確認します。あわせて、油・薬液・粉じんなどの付着があるか、産業廃棄物として処理が必要か、専門業者の対応が必要かも見ておきましょう。
設備の扱いを事前に整理しておくことで、廃棄物の量を減らしたり、処理費用を抑えたりできる場合があります。
プラント設備を撤去する前には、設備本体だけでなく、周辺の配管・電気・残留物も確認する必要があります。
特に注意したいのは、配管やタンク内に残った液体・ガス・粉体です。薬液、油、溶剤、可燃物などが残っている場合、撤去時の漏えいや火災につながるおそれがあります。必要に応じて、抜き取り、洗浄、ガス抜き、養生、分別保管などを行います。
電気設備についても、通電状態の確認や電源遮断が必要です。制御盤、ケーブル、モーター、計装機器などが残っている場合は、撤去範囲を明確にし、誤って必要な設備まで撤去しないよう整理しておきます。
事前確認では、設備の設置場所や数量、配管内の残留物、タンクや容器内の油・薬液、電気設備の通電状況を確認します。高所・狭所・重量物の有無、アスベストや有害物質の可能性、搬出経路や重機の使用可否も、事前に把握しておきたい項目です。
これらを確認せずに撤去を進めると、作業中のトラブルだけでなく、追加費用や工期遅延につながることがあります。
プラント設備の撤去では、設備の種類や付着物の状態によって、金属くず、廃プラスチック類、廃油、汚泥、ガラスくず、コンクリートくず、木くずなどの廃棄物が発生することがあります。設備に油や薬液が付着している場合は、付着物の種類や状態によって、通常の金属くずとは分けて確認・処理が必要になることもあります。
事業活動に伴って発生した廃棄物は、事業者が適正に処理する責任を負います。処理を業者に委託する場合でも、排出事業者としての責任がなくなるわけではありません。委託先の許可範囲、処理方法、マニフェスト管理などを確認することが重要です。
また、設備撤去だけでなく建屋解体も含めて工事を進める場合は、建設リサイクル法などに基づく事前届出や、分別解体・再資源化の対象になることがあります。設備撤去の範囲だけで判断せず、建屋解体を含む工事全体として、届出や行政手続きの要否を確認しておきましょう。
参照元:環境省公式HP(https://www.env.go.jp/recycle/waste/haisyutsu.html)
設備撤去を業者に相談する際は、現場の状況をできるだけ具体的に伝えることで、見積もりや作業計画が立てやすくなります。
まず、撤去したい設備の種類、数量、大きさ、設置場所を整理します。搬出経路や重機の使用可否も、現地確認の際に重要な情報です。
次に、設備が稼働中か停止済みか、配管・電気と接続しているか、油・薬液・粉体などの残留物があるかを確認します。これらは安全対策や作業手順に関わるため、早い段階で共有しておく必要があります。
また、撤去した設備を移設したいのか、売却したいのか、廃棄したいのかによって、必要な対応が変わります。建屋解体も同時に行う場合は、設備撤去だけでなく、解体工事全体の範囲として相談しましょう。
図面、設備リスト、写真、工事希望時期が分かる資料がある場合は、事前に用意しておくと相談がスムーズです。特に、危険物や有害物質の可能性がある設備は、見積もり前の段階で伝えておくことが大切です。
プラント設備の撤去は、建屋を解体する前の重要な準備工程です。設備の種類や状態によって、撤去、移設、売却、廃棄、産業廃棄物処理の判断が変わります。
また、配管内の残留物、電気設備、油や薬液の付着、有害物質の可能性などを事前に確認しておくことで、作業中の事故や追加費用を防ぎやすくなります。
プラント解体を検討する際は、建物だけでなく、内部設備の撤去や処理方法まで含めて相談できる業者に確認することが大切です。
専門性の高い解体業者に依頼すべき代表的なプラントとして、難処理廃棄物を多く含む化学薬品を扱うプラントと、火気による大事故が懸念される火力発電プラント、そして環境問題への対応でリユースやリサイクルを求められる太陽光・風力発電プラントの3つが挙げられます。
ここではそれぞれのプラント解体に優れた技術を持つ、おすすめの解体業者をご紹介します。


